2.ピモベンダンについて
ピモベンダンについて
ピモベンダンは拡張型心筋症や弁閉鎖不全症に起因する犬のうっ血性心不全の治療薬です。 ISACHCの分類ではクラスⅢaの症例に適応となっていましたが、最近では犬の僧帽弁閉鎖不全症における治療ガイドラインでは、ステージB2からの投与が推薦されました。
薬理作用
ピモベンダンの心筋刺激作用は、Caセンシタイザーとして心筋の収縮調整タンパクのカルシウムイオンに対する感受性を増強する作用と、ホスホジエステラーゼⅢ活性の阻害作用という2つの異なる作用機序を併せ持つことによるもです。
このためピモベンダンはハイブリット薬とも呼ばれます。またPDEⅢは血管にも存在するため、ピモベンダンはPDEⅢ阻害作用により血管も拡張させます。
これらの作用により心臓の拍出量を高め、前負荷と後負荷の両方を軽減する。また拡大した左心系を縮小する力が強いです。