皮下輸液の仕方
皮下輸液の仕方
猫の腎不全等で皮下輸液が必要になることが多いですが、在宅で行う場合の方法です。
1.まず手をよく洗って、点滴を行う場所も清潔に保って下さい。毎回同じ場所で行うようにして下さい。
2.点滴セット(点滴パックに接続されたチューブ)に針をつけて、ハンガー等を利用し高いところにつるします(重力を利用し入れるので落差あった方が早く入ります。とは言ってもチューブの長さに限界もありますので、少しチューブに余裕がある程度)。アルコール綿も用意しておきます。
3.猫ちゃんを連れてきます。猫ちゃんが動く場合誰かにおさえてもらうか、洗濯かごなどのような底の深い物にいれるのも一つの方法です。
3.左手で首の後ろの皮膚をつまんで持ち上げて、右手でその部位の毛を分けるようにアルコール綿で拭いて下さい。
4.右手で針を持ち、左手で首の後ろの皮膚をつまみ上げたまま、一気に皮膚の下に針を刺して下さい(ゆっくりじわじわ刺すと痛いです)。
針を刺す角度はつまんでいる皮膚と直角に。(皆さんつまんだ皮膚と平行に刺してしまいがちですので、真下に刺すくらいでも大丈夫です)
5.クランプ(点滴のチューブについているコロコロ回す)を最大に緩めて下さい。
6.皮膚の外に液体が漏れなく、皮膚が膨らみ始めたら上手に皮下に針が入ったということです。
7.針先の角度によって点滴の落ちる速度が変化しますので、最大スピードになるように針先を調節して下さい。針を直接つまんで動かすのではなく、チューブをつまんで皮膚に針を押しつけるように圧力をかけて動かした方が抜けずらいです。
8.規定量が入りましたら、針が入った皮膚ごとつまみながら針を抜いて下さい。そのまま1〜2分皮膚をつまんでいてください。
9.終わりましたら、針にキャップをさして直射日光の当たらない場所に保管(吊して)して下さい。
*大まかには上記のようになります。人では基本的に血管に直接点滴を入れます。動物でもその方が即効性もあるのですが、在宅では難しいので皮下輸液を行う事があります。血管に入れる方法に比べて難しくはないですが、個々で違いますので詳細はかかりつけの先生に伺って下さい。
よくある質問
・こんなり早く入れても大丈夫ですか?
血管に入れているわけでは無いので早くても大丈夫です。自然落下の最大スピードで行った方が、猫ちゃんの拘束時間を短くできます。
・針を刺したところから出血しました。
皮膚にはもちろん血管がありますので、針を刺したところに血管があれば出血する場合もあります。その場合はしっかり押さえておけば止まります。
・使い終わった点滴チューブや針はどうしたらいいでしょうか?
病院にて医療廃棄物として処分しますのでお持ち下さい。